今さら「ベルサイユのばら」にはまる…


「銀河英雄伝説」に引き続き「何故、今頃…」シリーズです…
今さらながらに
「ベルサイユのばら」に、はまってしまいました…
な、何故だ〜!何故、今頃〜!
ううう…元はと言えば
「モモグレ」というドラマCDで、「ベルサイユのばら」のオスカル役を、
森川智之さんが演じるという情報を入手した時から兆候はあったのよ…;
なんでも、このドラマCDはメンズオンリーと銘うっており、声優さんが全員男性なのです。女
性役も男性の声優さんです。
「どんな感じなんだろ〜」なんて興味が湧いてきたところに、「バルサイユのばら」の感想で
超おもしろいのを読んでしまい、子供の頃に読んだきりだった「ベルサイユのばら」に思いを馳
せてしまいました;
決定打になったのは「ベルばら」好きなR様のお言葉
「一番最初に「ベルばら」を読んだ時、あらすじを知らなかったので、オスカルが男性だと思っ
ていて、アンドレがオスカルに告白して押し倒すシーンではドキドキして…;思えばそれはBL
的なドキドキだったんだね」
な、なんですと!(サン・ジュスト!←意味不明;)
伝説的な少女漫画に、そんなおいしい読み方があったとは!(←ちょっと違う…;)
「ベルサイユのばら」を読んだのは、かなり昔だったから、細かい部分とかあんまり覚えてな
い…;
なにより、フランス革命時の知識なんてろくにないまま読んでいるから、深い部分まで読めなか
っただろう。
大人になって、昔よりは読解力も歴史的知識もある今読んだら、どういう風に解釈するんだろ…
そんな疑問と好奇心に勝てず、文庫本を一気に大人買いしてしまいました…;(さすがに、これ
は図書館では借りなかった;多分ない?5冊で完結だから買ってもいいか〜って;)
読みましたら…
す、すごい…超大河ロマン小説みたいな重厚さ。
内容の密度が半端じゃないです。普通の単行本では10巻のようだけど、今ならおそらく
30巻ぐ
らいになった
と思います。
激しく描かれる人間模様。時折「助けて〜!」と悶えながら床を転げまわることも…;
いや、本当にすごいわ…
何よりもオスカルが、かっこ良い〜!
容姿だけでなく、その思想というか、行動というか…
貴族に生まれながらも、ちゃんと公平な道徳心や正義感をもっている。
フランス革命の知識が子供の時よりあるから、オスカルのそういった部分になおさら惚れます!
例えば、当時のフランスでは貴族には税金がありませんでした。が、財政が苦しくなったので、
貴族からも税金を徴収する、という話がでます(史実)
漫画の中でオスカルは
「今まで貴族が無税だったのがおかしいんだ。じゃん、じゃん取ればいいんだv(自分からも)」
と言って笑いとばしています。なんて、まともで平等な視線でしょう。
平民の貧しい食事を目の当たりにして、オスカルがショックを受けた時とか、平民は可哀想だ〜、
なんて憐れんだりせず
「何も知らないくせに、思い上がっていた自分が恥ずかしい」といって自己批判するのだよ。高
潔な魂の持ち主です。
税金は貴族達の大反対にあって、かけられませんでした(これが三部会につながる)
三部会が約200年ぶりに開かれるのが、どんなに歴史的にすごいことか今なら分かりますので、
読んでいてぞくぞくしました。
いざ、三部会が開かれても第三身分の平民への冷遇、とか。
それに負けないぐらいの第三身分代表者達の熱い思い。その熱い思いが絶望に変わる歴史の残酷
さ。実際にあった出来事の数々。歴史上の人物の描写などなど。知っているからこそ、昔よりは
数倍楽しめました。にしても、ナポレオン・ボナパルドが男前すぎ!(笑)
逆に「ん?」と思う部分もありました。
「ベルサイユのばら」では「国の財政を圧迫させたのは、マリー・アントワネットの贅沢のせい」
みたいに描かれているんですよね〜;これは、いただけない…;
実際にマリー・アントワネットは贅沢しましたが、戦争に使った予算に比べれば、微々たるもの
でした。
当時のフランスの国家予算を一番圧迫させたのは「アメリカの独立戦争への援助」だったそうで
すから。そこはきちんと描いていて欲しかったですね(マリー・アントワネットがろくな知識も
ないまま、政治に口出しした事は確かなので、そこは批難されるべきでしょうけど…)
一番、胸にくるのは、やはりアンドレの悲恋ですね!
初めの方は、アンドレってそんなに目立ってなかった(昔は気づかなかった;)オスカル、マリ
ー・アントワネット、フェルゼンって三本軸っぽかったけど、黒騎士事件あたりから、ぐっと重
要度が上がってきました。
(黒騎士は後にロザリーと結ばれるけど、考えてみたら、二人とも貴族の血をひいてるんですね。
貴族の庶子であるがゆえに、貴族にひどい目に合わされている…似ている二人は、結ばれるべく
結ばれたんですね〜)
目が失明するかもしれない絶望感。昔から封じこめていた想い。身分違いの恋の苦しみ。オスカ
ルはフェルゼンが好きだって分かっていたんですよね〜それでも、見つめる事しかできない…あ
きらめる為に、他の女性との恋を考えるってこともしない…(T_T)
報われないと分かっていても、オスカルを想い続けるんですね〜しかも命がけで!
アンドレ!なんていい男なんだ!あなたに比べたら映画「タイタニック」のジャックも
霞んでしまうわ!

アンドレも初めはオスカルが好きでも、もしかしたら「すべて捧げてお仕え出来る主人」みたい
な感じだったかも。
それが、オスカルがフェルゼンを好きになったり、ドレスを着て美しい姿を見ちゃったりして、
どんどん「女性としてのオスカル」が自分の中で大きくなっていったような気がする。
そ、そしてついに想いが溢れだしてしまい…
アンドレが初めてオスカルに告白するシーンなんですが…台詞がすごい!
いつのころからだろう…このけむるようなブロンドの髪が鼻先をかすれてゆれるたびに…
その夜の色をした絹糸のようなまつ毛にふちどられた冬のオリオンを浮かべる瞳にであうたびに…
凛としてとざされた唇から、お前のいきたたぐわしい吐息のもれるたびに…

オスカル…髪はブロンドなのに、まつ毛は黒なのね…
冷静に分析している場合か…
どうよ、この美辞麗句!さすがフランス人ね!(^▽^;)
これぐらい言わないと、海外では女性のハートをゲット出来なくてよ!
昔観たテレビのト−ク番組で、海外の女性と付き合った時の話を、某男性お笑い芸人さんがして
ました。
「海外の女性には、美しい褒め言葉を日常的に言わないといけない。でも、日本の男性のレパー
トリーっていったらI LOVE YOU、I NEED YOU、I MANT YOUぐらいしかないんです〜!だから、
ある日彼女がキレちゃいました;」
彼女「どうして、いつもいつもI LOVE YOUばっかり言うの!」
僕「…だ、だってそれは…I LOVE YOU…;」
結局、ふられました…」
と、話していました。
海外の女性と付き合っている方(または、付き合いたい、と思われている方)は「ベルサイユの
ばら」を参考にすると良いと思いますv(←本当か…?;)
「ベルサイユのばら」にはまったいきおいで、テレビアニメ版もレンタルしてしまいました;
(私はアニメ版を原作より先に観ました)
作画が、姫野さんとか荒木さんなんですが、このコンビって「聖闘士聖矢」の人達ですよね。
ちょっと、びっくり。
オスカルの声は田島令子さんで、アンドレが志垣太郎さん。
子供の時は分からなかったんですが、大人になると、どうしても声を聞くたびに志垣太郎さんの
顔が思い浮かんでしまふ…;嫌だわ〜;
放送当時も観ていたんですけど多分、途中で観るのを止めたと思います(もしかしたら放送打ち
切りかも?一部の地域がそうだったみたいだから)
改めて観賞しますと…オスカルが原作よりかなり女っぽいです;冷静だし…;熱いかっこ良さが
ちょっと欠けるんですよね〜;
近衛隊から衛兵隊に転向した理由が「フェルゼンへの想いを断ち切る為に、より男としての生き
方を求めたから」になってるし;
原作では
「王宮の飾りでも人形でもない、自分の生き方を求めたから」なのに〜;
アニメの理由では、その後のフランス革命に身を投じる行動に説得力がないのよ;
他にもいろんな箇所でアニメならではの変更をしてます。
例えば、平民の子供を銃で殺した公爵ですが、原作ではオスカルと決闘しない。が、アニメでは
してます。多分「子供を殺した人間が何の罰も受けない」のは、全国放送のアニメではNGだっ
たんでしょう。
また、民衆側の描き方が、ちょっと悪役っぽく描かれています。これは大不満ですね。
ロベスピエールはこの時は30代だったはずなのに、50代のおっさんみたいに描いてるし〜;
特にひどいのはサン・ジュスト。
貴族を次々と暗殺するテロリストとして描いてるんですよ〜
勘弁してくれよ〜;
ロベスピエールを崇拝してたのに、反目してるとことかあるし〜;止めてくれよ〜;
理由としては、オスカルは貴族側だから、主人公側にあんまり「非がある」って事にしたくなか
ったんでしょうけど…;
それならオリジナルキャラとか出せばいいじゃん!
歴史上の人物は、あまり歪めないで欲しかっ
たです;
アランも貴族ではなく、平民っぽく描かれてます。オスカルに横恋慕してないし;これは、個人
的にかなり不満…;
こういう想いが「ベルばら」において重要なのに!(適度な妖しさがあっ
て…)
聞いた話によりますと、アニメの最終回でアランが農民になった姿が描かれていて、それを不満
に思った原作者の池田理代子さんが「エロイカ」という漫画を描いたそうです;
アンドレの悲恋は、原作に負けず劣らず濃かったかな。原作よりも犠牲心が強い感じ。
黒騎士の囮になるところとか、原作はオスカルに言われてなるのに、アニメでは自らなってまし
た。オスカルの後を追って衛兵隊に入隊するのも、自らだったし(原作ではオスカルの父親に言
われて)
道徳感にうるさいアニメでは、
アンドレが毒でオスカルを殺して、自分も死ぬつもりだった
シーンはカットされてました;(いいとこなのに!←個人的には一番萌えた)

このシーンは忘れていたのですが、これである事思い出しました。
「スケバン刑事」って漫画があるんですが、話の中で主人公のサキちゃんに横恋慕する三平とい
う男性が、サキちゃんに毒を盛って自分も死のうとするシーンがあったんです。
この場面は読んでいた時、違和感を覚えたんですよね〜三平ってそんなことするキャラじゃないと
感じてたから。
作者の和田慎二は「ベルばら」が好きで、
あの毒のシーンを自分も描いてみたかったのではない
かな〜そんな気がするのよ〜;サキちゃんもオスカルを彷佛とさせる「凛々しい女性」だし…
やはり「ベルサイユのばら」が、その後の少女漫画に与えた影響は、計り知れないですね。
アンドレとオスカルが初めて夜を迎える時なんか、オスカル(女性)の方から言うんだもん!
「ベルばら」以前に、
女性の方から男性に言葉で許す話は多分なかったと思う。
これってある意味
「誘い受」のさきがけじゃなくて!(はい?;)
でも、これって正しい姿だと思うわ。だって動物界をみてみたら、大抵、男側が女側に必死に
アピールしてその気にさせようとする。でもって選ぶのは女側。女側に決定権があるんだよね〜
これが自然だと思うのです。
なんか男側に決定権があると、「抱いてやる」って感じがしないでもないんだよね(現実問題
として、レイプした男がたまにこういう事を言ったりする)
私的には、そんな男はタイプじゃないのよ。
やっぱり「身体を許す」って表現の方が美しいと思うの!
「すべて受けとめる」のは純愛以外のなにものでもないと思うの〜。
個人的にこういう部分は譲れないところなの。
BLでも少女漫画でも、「好きだから抱きたい」という気持ちがあった時
『相手が自分の事を好きじゃないって分かっていても抱く→抱いた後に、抱いた側が喜ぶ』
という展開になる話をたまに見かけるんですが、これは止めて欲しい、と思ってます;
抱いた後に、抱いた側が後悔したり、苦しむなら分かるんですが…;
本当に好きなら、心がないのに抱いて満足しないと思うんですよね〜;なんだか、相手の事を
男娼(娼婦)扱いしてるみたいじゃん;
本当に想っていない、相手の気持ちを大切にしていないって感じるのです。
こんなのは、私の中では
「愛」と認められなくてよ!即、却下ざます!
覚えておいて欲しいざんす!(←誰に?)
話を戻しまして…;
アニメは全体的にシリアス感が、原作より高いです。原作では結構コミカルな部分があったのに。
アンドレがオスカルを押し倒すシーンは、さすがに動いてる分、アニメの方が妖しかった;
まあ、お薦めするなら断然原作ですけどね。
「命がけの純愛」なので、今のような軽〜い少女漫画とは一線介してます。
今の若い人達にも読んでもらいたいですね〜男性にもお薦めしたい。きっと
乙女心が呼び覚まさ
れるに違いありませんv