CD「春を抱いていた8」を聞いて


高い…3枚組とはいえ¥5900は高い…
貧乏人の懐をあまり鋭くえぐらんでくれたまえ…(T○T)
この値段ならブックレットとかつけてくれてもいいのでは;
実は¥4800ぐらいだろうと思っていたので(値段あんまり覚えてなかった;)購入先
でびっくりしました;
「え!¥5600もすんのぉぉ〜;」
みたいな;税抜きの価格みてもこの反応だったんで、レジで
「¥5900です」
なんて言われた時は固まったわ;キャッシャー機の電光掲示板の数字を思わず確認。
税抜だったのかよ!(←よく確かめろ;)
自分のズボラさが悪いんですけどね;幾らであろうとも購入する気でしたけどね;
「¥5900もするからには(←まだ言うか…;)ブックレットとかつけてくれてるのか
な〜?」
と思ったらないしな〜;ちょっとがっかり;ポストカードはついていたが;(いつ、
誰に使えば…?)
さて、中身はといえば通常の「春抱き」の本編に沿ったものが一枚。
映画「冬の蝉」撮影時の京都での裏話が、オリジナルストーリーで一枚。
岩城さん、香藤君の朗読と声優さん対談が一枚。
複数入るCDケースって苦手なんですよね〜不器用だから割りそうで怖い;ビクビクし
ながら取り出してヘッドホンで聴く。
本編のCDは本当に今まで通り、原作に沿った内容でした。映画「冬の蝉」の撮影でさ
くさくと話は進む。
今回の目玉はなんといっても吉澄さん。声優さんは関俊彦さんという超ベテラン。
どんな吉澄さんを演じられるのかとドキドキしていました。拝聴しましたところ
「こう、きたか〜!」
って感じでした。
大人しくて素直な感じの吉澄さんでくるかな〜と想像していたのですが、蓋を開けて
みたら「飄々キャラの吉澄さん」だった。「おひょいさん」っぽい雰囲気あったな〜
この雰囲気だからこそ、岩城さんに「違ってたらごめんね、ここの空いた席に意味あ
る?」って嫌味なく聞けるんだな〜と納得しました。すごい説得力のある吉澄さんだっ
た。
こういう飄々とした雰囲気って声だけで出すの難しいですよね〜さすが関さん!
やっぱ、声優さんってすごいな〜
前回のCDでも思ったんですよね〜橋のシーンの撮影の箇所。しゃがんでいた香藤君が
立つところ。
あそこで「いつもは」って台詞だけで「香藤が立った」のを表現してて
「三木さんすげ〜!」と思いました。
はあ〜声優さんってすごいわ〜
だからアニメの吹替に俳優を起用するのは止めてね(分った?ジ●リとかディ●●ー
とかピ●サーとか…)
ただ、岩城さんや香藤君らとの掛け合いで「?」ってところが少々ありました。後で
知ったんですが、関さん別撮りだったんですね〜;そのせいか、会話のノリというか
テンポに臨場感が欠けるかも。う〜ん、残念;
聞いてて非常に懐かしい気持ちになりました。
最後の青空濡れ場ですが、香藤君の
「無茶はしないから!」
原作でこの台詞読んだ時、大半の人が
「嘘つけ」と思ったであろう事など思い出しましたわv
思わず原作を読み返す。
この頃からですよね〜岩城さんが「乙女」に変化しだしたの〜
ちょっと前に「春抱きCD5」を聞いてたんですが(例の温泉話)岩城さん、まだどこ
か淡白なのよね〜香藤君をぶったり、情事が終わった後に浴衣拾いにいったり〜人の
目とか気にしてんの〜
それが今では…ノロケまくりじゃないか!
変わるもんだね〜v可哀想な吉澄さん…(^^;)
オリジナルストーリーは不思議な話でしたね。
新田先生の中では相沢の裏設定があるんじゃないでしょうか?結婚してたとは意外で
すね。
相沢の後悔してるって描写を、新田先生はもっと描きたかったのかもしれない。
CDでも墓守しているのは相沢の子孫だったもんな〜
なんか相沢の魂が、生まれ変わりである浅野君に自分の役をさせる為に、吉澄さんに
怪我させたのか?と勘ぐれる内容だった。
つ、憑かれてたって事?;なんとなく微妙…;
想像していたのとは違う内容で、ちょっと肩透かしくらった気がしないでもない…;
希望としては
京都の古い物の怪に取り込まれそうになる岩城さん。それを助けようとする香藤君。
なんて聞いてみたかったかな〜
思わず妖しい鬼畜的妄想が爆発しちゃうような感じとか!
物の怪に連れ去られそうになる岩城さん…
そこで香藤が岩城さんを連れ去る!(は?)
浚われる前に浚っちゃえ!みたいな〜
……無理でしたか…;
二人の風呂場での情事は熱いぜ、萌えるぜ、悶えるぜ〜!でしたけどね!
ゆ、指って…!水音が妖しすぎる〜
もう、森川さんの吐息演技がエロくてたまらん!
しっかり男性なのに、セクシーなんざんすよね〜
聞いてるこっちが失神するところでしたわ;ハアハア…ジュル(涎)
朗読は完全に岩城さんと香藤君。
文字でみて、二人ならこう喋るだろう〜と想像している通りの語り。
または、それ以上でした。
やっぱり、このキャストのシンクロ度はハンパないよね〜!
聞いてて「そうそう!」と頷く事しきりでしたv
はあ〜声優さんってすごいわ〜
だからアニメの吹替に俳優を起用するのは止めてね(分った?ジ●リとかディ●●ー
とかピ●サーとか…←もういい;)

(ここからは辛口コメント。あくまで私的に、です)

ただね〜満足出来る内容だったか?
と、聞かれると「ノー」と答えざるえない。
そりゃ、最終巻となった14巻の大感動と比べてはいけない、ってのは分ってるんです
よ;
でも「買ってよかったな〜」と素直に思えない部分がある。これは声優さんの演技と
か、原作以外の部分。
実は前回のCD「春を抱いていた7」から思ったんですが「CDならではのおもしろさ」
が減少しているんですよ。聞きどころっていうのかな〜それまでのCDと比べてクオリ
ティが落ちてるように思う。
『なんだろ?音の厚みか、脚本の軽さか、演出の「妙」の無さかな〜;』
と、考えていたのですが、今回はっきり分りました。
CDで「春を抱いていた」の世界を作ろう!というスタッフ(制作側)の熱意が感じら
れない、という事に;
きつい事言わせてもらえれば「原作のおもしろさ」や「声優さんの演技の上手さ」に、
CDが「頼りすぎてる」ように感じる。
「春を抱いていた」がここまで人気が出たのは、CDの影響もあったと思うんです。
森川さん、三木さんというはまり声優さんはもとより、CDならではの細かい演出や脚
本があった。
特に「冬の蝉」のレベルは大河ドラマのようで、ある意味原作を越えていた。
この頃の原作ってすっごい盛り上がってておもしろいのに、このCDで聞くと、そのお
もしろさが半分も伝わらない;
以前のCDでは原作にない場面とかセリフとかあったんですよ。
例えば大晦日に香藤君の実家に行く場面。
酔っぱらった香藤のお父さんが車の止める場所「教えてやる」と言って、香藤君が
「う、酒くせ〜」なんてやりとりとか。
目で見れない部分を音で伝えよう、とする心意気や工夫があった。私としても、そう
いう箇所が楽しかった。それが無くなっている。
今回の「春を抱いていた8」だって
香藤君が岩城さんに「バカ!」って言って飛び出すシーン。
もっと音で表現出来るんじゃないかな〜;あれじゃ
(香藤君が飛び出して吉澄さんと会う。吉澄さんは失意の岩城さんを見る)
なんて全然分んないよ〜;
その後だって、原作では崖ギリギリで座っている香藤君に、吉澄さんが「こんなとこ
よく座るな〜」って思っているシーンあったのに削っちゃってる。
以前なら、そういう細かい部分も表現してくれてたんですよ。
崖際にいるような風の音つけたり、吉澄さんに「こんな崖際によく座ってられるね〜」
なんて台詞つけるとか。今は
「みんな、原作読んで知ってるでしょ」
ってな感じで聞く側に「丸投げ」しちゃってる。それが私的にはおもしろくない〜;
手抜きしているように思えてしょうがない;
香藤君の台詞を引用させていただければ
「CDの製作スタッフさん!前はそうじゃなかった!そうじゃなかったじゃん!」
あの情熱はいずこに〜!(T○T)
と、言いたくなるんざます〜;
これはオリジナルストーリーにも、朗読にも同じ事を思った。
声優さんの演技にあぐらかいてるんじゃない?って;
ついでに言うなら、朗読のCDに歌無しの曲は3つもいらんだろ;
歌無しにするならもっと「それらしい」クオリティの曲を入れて欲しかった。
あれじゃBGMのまんまじゃん;
最後かもしれないんだから、もうちょい力入れて欲しかった…残念です;
……高いし…;(←まだ言うか…;)
これから購入を考えていらっしゃる方には
「中古でもいいと思うよ」
と助言させて頂きます;
または、友達と折半で買ってもいいかも。ブックレットとかないし;(←しつこい;)

それとちょっと新田先生に対して私があまり好きでない部分を言わせてもらうと…;
(読みたくない人は読まないで下さい;)
オリジナルストーリーの話なんですが、正直
「「冬の蝉」関係の話はもういらない」と思いました;
新田先生の話で私が「合わない」と思う部分に
「説明しすぎ」
ってのがあるんです。
印象的な台詞や感動的な言葉が多い新田先生の作品ですが
「そこは言葉にするところじゃないのでは?」
と思う事も多い(私的に)
漫画であって小説じゃないんだから、そこは「画」で見せるべきでは?と。
説明と台詞は違う。(映画とかでもたまに思うんだけど)
他の例として、ちょっと細かいんですが…;
「僕の声」の漫画の2巻で、黒川さんと保坂さんが初めてベッドインする場面。
保坂さんが黒川さんに
「試してみて」と耳もとで囁くんですが、そこに「ボソボソ」(だったっけ?)
という擬音が書いてあるんですよ。
これはいらん;絵で十分伝わるから;
余計な擬音いれないでくれ〜ムードが無くなる〜!
と、私は感じるんですよ;
今回の話にしても、相沢の後悔してる描写を、新田先生は伝えたかったのかな
って思うんですが、あまりやりすぎても
「こう思いなさい」
と押し付けられているように感じてしまう。
受け取り側(読み手)が好きに解釈出来る「余白」がある方が私は好きなんですよ。
妄想大得意の腐女子だし;
だから「もう、これ以上はいいよ;好きに想像させてくれ;」なんて思っちゃったり;
あくまで「私的に」です;
辛口でごめんね;
でも、発売してくれてありがとう、とは思っています。
本当にありがとうございました。
お疲れ様でしたv