「春を抱いていた」14巻(最終巻)を読んで(H21.11.12)


ついに発売となってしまいました「春を抱いていた」
泣いても笑ってもこれが最終巻…
う〜ん、いつか終わる時がくるのは覚悟しているのですが(人気があるからとダラダラ続く
のはあまり好きな方では無い)あまり良い条件での終わりではないのが、つくづく残念です。
これだけ人気のあるコミックなのにね…
諸事情について思うところは、後ほど書くとして、まずは本編の感想をば…

全体的にシリアスな内容でしたね。描き下ろし以外も社会的な要素がいっぱいあった。
雑誌の方はまったく読んでいなかったのですが、事務所と揉めて岩城さんが社長に…って
流れは知っていました。
なるほど〜株操作ですか〜言葉悪いけど、たしかに「のっとり」ですね(^^;)登録して
いるタレントさんにとっては「救済」だったろうけど。
若社長、いろんな意味で最悪ですね〜顔も悪人面だし!一重だし!髪型キューピーちっく
じゃなくって?!
(関係ねーだろ;)イケメンだったらちょっとは…い、いやゴホゴホ…;
清水さん曰く「最悪の部類」だべ。人を「物」扱いする人間って経営者以前に人として最低〜。
前社長の話では「暴力団」とも繋がりがあるようだし、マジでこんな危険人物が責任者になっ
たら、会社の信用も失墜だし、レベルもどんどん落ちてしまうよ。現実でもそういう関係の
集会に営業にいかされたタレントが、問題になるニュースがあったりするし(麻薬にしても
芸能界ってその系列の事件が尽きませんね…やっぱそういう関係と切ってもきれない?)
そんな中で、筋を通した岩城さんはえらい!かっこいい!よくやったよね〜
フフフ…清水さんも策士ざんすね!
そんでもってボンクラ社長は逆恨みかい!;救いがたい男だな〜;
銃を簡単に入手出来たのは、やっぱり「暴力団」と繋がりがあったからかな?麻薬もだろう
けど…
香藤君の研ぎすまされた感覚が岩城さんを救ったのね!(お守り効果か?)香藤、本当にい
い男になったな〜
最悪なのはマスコミによる「叩き」だね〜
そりゃ、諸事情を知らない人達から見れば、会社を「のっとった」岩城さんが若社長を追い
詰めたって感じる部分もあるかもしれないけど、銃で報復なんておかしいでしょう〜
岩城さんが若社長に対して、銃で脅したり暴力を振るった経緯があるなら少しは分るけど。
第一、若社長と岩城さんなら立場は岩城さんの方が弱者じゃない。対等でも岩城さんが優位な
わけでもない。
若社長は他にいくらでもやりようがあった筈。
優秀な弁護士雇うとか、他の15%の株主(父親が45%で若社長が40%だったみたいだから他
に15%あったのでは?)に頼むとか。契約している事務所の人達と話し合う事も出来た。
それなのに、一番最悪な「暴力」という手段に出たのだから同情する余地はない。そこんとこ
間違えないで欲しいわね〜プンプン!
いやだね〜パパラッチもどきの「派手ならいいネタ探し」の記者は〜
こんな奴は簀巻きにして、まつ毛を1本1本抜いてやるべし!(←意味不明;)
弱った岩城さんは香藤に癒されて〜
つーか、香藤「立ってなきゃ駄目」とか、なんなんだそのS魂全開フルスロットルは!
いいわ!もっとやってくれてもよくってよ!
「意地悪しないでくれ」
…岩城さん、色っぽすぎ!なんなの〜私を悶え殺す気ですか!ハアハア…
久々の「春抱き」パワーはさすがにすごい。私の秘功をブスブスと突いてくれます。
思わず「ああ、もっと!」と叫んでしまいます(←変態;しかし変質者ではない!)
そして、描き下ろしの「ライフライン」
私、オビの裏側読んでなかったんで、地震で東京崩壊なんて全然予想していませんでした。
(読んだ後で気がついた。でも、オビ裏にネタバレ的ストーリー書いてあるのはよくないと思
うんだけど…;)
究極の状態では、自分にとって何が一番大切かよく分かる。
岩城さんは香藤の事を常に考えて行動するし、香藤は生死の関わる時に岩城さんの顔しか思い
浮かばない。
お互いがお互いの生命線なんですね。
こんな人にめぐり会える人生がうらやましいぜ!
瓦礫の山になった東京。
でも、お互い生きて再会出来た。
岩城さんの言葉とおり、本当にそれだけでいい。
家は燃えずに残っていて良かった。二人の愛の巣、だけじゃなくて「帰るところ」だもんね。
香藤君は笑わなくなったみたいだった。あの時、目の前で大勢の人が亡くなったから、精神的
ストレスは相当あったろうね。フラッシュバックもおきてるみたいだし…抱き締めてくれる人が
いるのは幸せだ。
そんな時でも、役の事考えてるなんて、香藤君も骨の随まで役者ですな〜
香藤君の言葉に、みんなもう一度映画を撮る気力を取り戻す。
香藤君って本当に強い人間ですね。
きっと岩城さんがいるからだろうな〜なんて思う。自分を受け止めてくれる人、理解してくれる
人がいる人はやっぱり強いわ。

小野塚君と宮坂君との友情も清々しかった。
(吉澄さんが出てこなかったのはちょっと淋しかった;せめて最後のアカデミーの会場にいないか
と、探したんですが、目星い人影は見当たらず…;)
そして、みんなも立ち上がっていく。
一年後には日本アカデミーも復活したようです。
主演男優賞は誰の手に?
…という感じで「春を抱いていた」は終わります。
はあ〜なんか、あっという間でしたね〜
私の予想ですが、駆け足で終わったにせよ、とりあえずは新田先生のほぼ当初の構想通りに終わら
せる事が出来た
んではないでしょうか?
ファンの間で
「タイトルから考えて、最後は岩城さん香藤君のどちらかが死ぬのではないか?」
と噂されていましたが、もしかしたらそういう可能性もあったかも。
でも、周りにも自分にも希望を与える為に、どちらかが死ぬ、という最後にするのは止めたんでは
ないでしょうか?
某作家さんのそういうのを聞いた事があるんですよ。
「ダロウェイ夫人」って小説なんですが、初めは主人公のダロウェイ夫人が死ぬという最後で書い
ていたらしいけど、途中で変えた。
「ダロウェイ夫人を生かし、詩人を自殺させる事によって、これを読む人に「生」の尊さを伝えら
れるから」みたいな理由だった。
香藤君の「仕事にした以上楽しいことばっかじゃない」という台詞は新田先生の言葉でもあり、一
方で新田先生自身が香藤君によって励まされたかったのかもしれない。
浅野君への岩城さんの言葉も。
「春を抱いていた」は傑作でした(あえて、そう言い切ってしまおう)
BLだったり、過激なベッドシーンや、絵が苦手;なんて好みの問題はあると思うけど、クオリティ
の高さはそこらへんの少年・少女漫画を凌駕していたと思う。
こういう終わり方をしたのは残念であるけれど、内容の濃さや個性クオリティが最後まで失速しなかっ
たのは良かったかもしれません。
これで、物語は完結しましたが、なんだか「終わった」って気がしませんね〜
読む前は「読んだ後、がっくりくるかな〜?」と思っていたのですが、読書後に感じたのは
「清々しい達成感」でした(まあ、一抹の淋しさはありますが…)
心に残るものが多い作品だったからだと思う。
「続きが気になる〜」はあっても、ジェットコースター的な展開で「次は!?早く!?」っていう瞬間
快楽を楽しむ物語じゃなかった。
胸に残るというか。
くさい言葉で言わせてもらえば、私の気持ちの中に二人がいるって感じです。
だから、岩城さんや香藤君にまた会える。そんな気がしています。
「さようなら」とか「終わったんだな」って気持ちじゃなくて
「ありがとうございました。また会いましょう!」
という言葉が私の中で一番しっくりきますね。
岩城さん、香藤君、またいつか、どこかでお会いましょう。
感動をありがとう!
(う〜んシブク決めたわ←超、勘違い…はっ!Σ ̄◇ ̄;まだCDがあるじゃん!)
では、次はCDでお会いしましょう!楽しみざんすね!