伊達の性格について(私の勝手な考察)


伊達の性格は初登場した時から結構変わってきていると思う。
ま、「男塾」では身体のサイズや実力まで変わってきてるのでそれは暗黙の了解とするところだと思うけど、あえて無視して真面目に考えてみましょう。
伊達が初登場した時は御輿に乗っていてシルエットだった。髪型も決まっていなかったようで、どう見ても丸坊主にしか思えない。ちゃんと描かれて出てきた時も兜かぶってんだから、顔もまったく分からず。
初めて伊達の顔や髪型が見えるのは桃が兜をぶった切った時である。
(余談ですが、私はこの時伊達は桃に惚れたんだと予想している。認めたというか。本人自覚してないけど。だってバックに桃ちゃんのアップがあるんだもん)
読者も桃達も伊達がそれまでどんな表情しているか全然分からなかった。しかし、感情を露にした言葉や台詞は聞かれなかったので、感情を表さない性格をしている、という印象を受けたと思う。
あくまで感情を表に出さないだけで、冷酷なのではない、と分かるのが三面拳の名を腕に刻んでいるのが発覚した時。感情を出さないように押さえていた訳だ。
腕に刻まれた字を見ても、結構小さくて見えないように気を使って書いていたのだろう、と考えると萌える。可愛い奴め(多分、月光や飛燕にはバレバレだったろう)
そして最終死闘、火口から登っていた時、桃を助ける為に自分から手を離す。
ここで私は、伊達という男は「大切な人」がいないのではないか、と思った。
別な言い方をすれば理解してくれる人。そして「自分をあまり好きではないのかな?」とも。
三面拳との出会いは明らかにされていないが、伊達は彼等を信頼していた。その彼等を失ってしまった時(本当は失ってないけど)伊達は「もう、いいや」と思ったんではなかろうか?
自分を理解してくれた三面拳はいない。なら、今ここで自分を理解し、助けようとしている男の為に死んでもいいか。この男には「大切な人」が大勢待っている。
てな感じで手を離したんではないか、と。
「別に自分好きじゃないし〜」
みたいな。いや、こんなギャル口調じゃないのは分かってるよ;
塾旗と塾生の想いを背負い、「大切な人」が大勢いる桃との違いがこの戦いで現れていたよね。
自分の命を救おうとしただけでなく、そんな桃だから伊達は認めたんだと思う。
『こいつは俺より背負っているものがある。応える力もある』
と。
(キャラ考察でも書いたけど)伊達は自分の命を軽くみているけど、その理由としては
1.自分の事が好きではない(あまり重要な人間だと思っていない)
2.自分を大切に思っている人も少ない(死んでも悲しむ人間がいない)
こんなところなのではないでしょうか。
「勝つ為」に命を捨てる覚悟がある赤石先輩とは大きく違う部分な気がする。赤石先輩は何よりも「勝負」に重きをおく。
大将としての器を伊達が十分持っているのは疑いようのないところ。
男塾に在籍していた時も筆頭だったし、塾長にも「あれ程の逸材はおらん」と言わしめている。
この言葉には「戦いにおいての実力」だけでなく、「将としての器」「判断力」「器用さ」なんかも含まれていたと思う。万人橋で崖が崩れる時に
「引け!」
と命令して一見冷酷だけど「将としての判断力」をいかんなく発揮している。
「大将」としては「自分の個人的は感情」を捨てなきゃいけない時がある。伊達はそれが出来る人間だと思う。それが出来るのは「自分の心情や命より仲間(部下)の命」を重要視するからかもしれない(かなりの実力がある三面拳が伊達についていたのも、もしかしたら伊達の命の軽さを防ぐ為だったのかも?)
その伊達が変わり始めるのが「八連制覇」。
雷電がやられた時に冷酷な事を言って、塾生達の反感をかうが飛燕が
「本当は優しい人なんです」
と伊達の見えない内面を語り、桃が
「分かっている」
と返す。この時点で伊達を理解しているのは、三面拳と桃だけだったと思われる。桃は火口で伊達が自分を助ける為に手を離した事や、血誓痕生の話しはしなかったろうと思うから当然かもしれないが。
Jに「足手まといだ」ときつい言葉を伊達が投げつけた時は
「そうでも言わなければJが聞きわけると思うか」
すかさず桃がフォロー。その後も
「伊達はそんな男じゃない。これ以上仲間の死をみるのが堪え難いのだ」
「虎丸の男をたてる為に伊達は堪えていたのだ」
桃が伊達の表に出さない心情を悟って皆に伝えている。虎丸も
「口は悪いけど本当は優しい奴だもんな」
である事を見抜いている。これ以降、塾生の皆は伊達という男を理解している気がする。
羅刹との勝負から戻った伊達を、塾生達が皆駆け寄っていたのがいい証拠v(虎丸は二の次;)
天挑五輪の頃にはすっかり本来の自分の姿になっていた。
不適な微笑みを浮かべて敵を挑発;敵をおちょくり、ギャグを言いながらも常に勝利;この頃の伊達って本当に楽しそうというか伸びやかだ;
雷電が殺された時は、これ以上ないくらい怒りを露にしていた。
伊達がここまで変わったのは、桃の存在はもちろんだけれど、虎丸と富樫の影響も大きいと思う。
虎丸と富樫の真直ぐさや、感情を隠さない素直さに触れて、感情を表に出す術を知ったんではないでしょうかね。自分を大切に思っている人の存在。損得なしに自分を信頼する人に応えたいと思う気持ち。
初めて知った事が多々ある筈。
そして副将だったのも大きい思う。「冷酷な判断」しなくていい立場だもんね。大将は自分が認めた男だから、その男の判断なら受け入れる。伊達にとって桃は唯一、自分の信念と背中を預けられる人だったんだろう(伊達の場合「命」を預けるより重い筈)
「約束だ。腹かっさばいてもらおうか」
の伊達の不適な微笑みが私は好きだv
だが、この不適な笑みは「副将」という地位にいる時の伊達でしか見れないものかもしれない。
もちろん伊達は自分を不幸とは思っていないだろう。自分を嘆く程弱い男ではない筈だ。どういう選択をとろうとも自分の意志で決断し、すべて受け入れ、決して後悔なぞしないだろう。