伊達の塾密桃
伊達組長×塾桃バージョン


桃は荒れ狂う海の中を漂う小舟になった気分だった。
どこを彷徨っているのか分からず、いつまで流されていればいいのかも分からない。
地に辿り着いたかと思っても、またすぐに新たな悦楽のうねりに飲まれてしまう。
自分がどういう状態なのかもおぼろげで理解出来なかった。
「…あ…」
触れてくる指と唇が、優しい動きにも関わらず、桃の身体を狂わせる。
深く濃厚な愛撫を感じて、桃は身を捩った。
シーツを握る手の力はますます強くなるのに、下肢の力は内側から抜けていき、感覚
は鋭くなってかすめるだけで蜜をこぼしてしまう。
「…あ…やだ…もう…」
熱い息で桃は息も絶え絶えに懇願した。
「…ん?もう…なんだ…?」
伊達が桃の手の甲に、まるで貴婦人にでもするような口付けをおとして囁く。その間
も悦楽をもたらす行為は止めないので、桃は返事をするより、甘い吐息をもらすしか
なかった。
「…う…く…もう…」
「だから…もう…なんだ…?」
「…あ……して…」
「駄目だ…ちゃんと言え」
伊達は桃の顔を見つめて、髪を梳きながら少し意地悪く言葉を要求する。
頬を紅く染め、官能に身を浸している桃の潤んだ瞳が睨みつけてくるが、その視線さ
えも伊達は愛しかった。
「早く言え…でないとこのままだぞ…」
桃の身体を内側から少し揺さぶる。
「や…!…あ…い…いじわる…だぞ…」
「お前だからな…」
「…う……」
「さ…どうして欲しいんだ?」
「…く……いかせ…て……」
聞き取れないぐらいの小さな声で桃は呟いた。途端に桃の瞳から涙が溢れてくる。
…か、可愛い……
伊達組長は桃の初々しさが可愛くて堪らず、抱き締めて頬ずりしてしまった。
今の(総理)桃ではこんな初々しさは考えられん…
言葉を要求しても
「いかせてくださいお願いします、組長様」
とか、なんとかあっさり言うに決まっているのだ。
焦らしがいがねえんだよ…
と伊達組長は思った。が、実際、主導権を握られる事が多いのだがそれは無視する。
伊達は桃の可愛い願いを聞いてやり、身体を解放に導いてやった。
桃は身体をシーツの波の上に投げ出し、気を失ってしまったようだった。
「…桃……」
「…ん…」
「大丈夫か…?」
「…あ……」
意識が戻ってきたのを確認して、伊達はまた桃の身体を愛撫し始める。桃はすぐに反
応して身体を捩りだした。
「…伊達…もう…無理…」
「ん…腰が乱れてるな」
伊達は桃の足首を掴んで、淫らなポーズをとらせた。
「あ…!や、やだ…こんな格好…」
桃の言葉など耳に入っていないかのように、伊達は止めなかった。敏感なそこを舌先
で触れてくる。
「…い…いや…止め…」
「…………」
「…お願い…もう……助け…て……」
「…まだ駄目だ…」
深くなる官能に、頭がおかしくなりそうだ、と桃は思った。
甘い蜜の中に溺れていくのみならず、蜜が自分の身体に入り込んで侵食されるような
感覚を覚える。
すでに身体は溶けているのではないか、と思うぐらい感覚が甘い。
その甘さに冒されて、またあの悦楽に襲われるのかと思うと桃は怖くなった。
…良すぎて…変になるのが…怖くて…狂いそうになるのが…
なのに、伊達は手を止めてくれない。
堪えきれずに嗚咽を洩らして泣き出してしまう。
「……う…うっ…」
情事の泣き方とは違う本当の泣き声を聞いて、伊達は驚いて顔をあげた。
「桃…どうした?」
「…やだ…こんなの…」
「ん?」
「……愛されてない…みたいだ…」
…遊ばれてるみたいで…
苦しそうな桃の泣き顔を見て、伊達はマズイやりすぎた、と思った。
この桃は、さほど情事を経験していなくて、「神聖な儀式」として受け止めているの
だった。
「神聖な儀式」と考えているのは、今の自分達も同じなのだが、大人になった分、お
互い少し「遊ぶ」余裕があるのだ。塾生時代の桃にそれが出来ないのを忘れていた。
余裕のない桃に少々やりすぎてしまった。
辛い想いをさせるつもりじゃなかったのに…
「…悪かった…」
伊達は桃の額に唇を落とした。涙をぬぐって止まるまで優しく撫でてやる。
「…伊達…」
桃は泣き止むと潤んだ瞳でまっすぐに見つめてきた。伊達は桃に優しく深い口付けを
落とす。
「今度は優しくする…」
「……………」
「いっしょに感じていいか?」
「…う…ん……」
抱き締めてくる伊達の背中に桃は手を回し、彼がもたらす優しいゆらめきに、今度は
安心して身を委ねた。



伊達の熟密桃
塾伊達×総理桃バージョン


汗で前髪が落ちてくると、思ったより幼く見える事に伊達は気づいた。
抱き合って、高みに上りつめた身体をシーツの上に横たえている桃は目を閉じていて、
眠っているのかな、と思う。
だが、その桃がうっすらと瞳を開けて伊達を見つめ、優しい微笑みを向ける。
伊達は胸がドキリとして、彼の頬を手で包みこんで唇を重ねた。
「…ん…」
口付けを受け止めた桃は伊達の背中に手を回してくる。もっと深い口付けをねだるよ
うに。
桃は反転して、伊達の身体に覆いかぶさった。
彼の身体を唇と指で確かめるようになぞっていく。下腹部に触れられると、たまらず
伊達は声をもらした。
「…ちょ…ちょっと…」
「…ん……」
「…もう…いいぞ…」
「…駄目……」
「…え…おっ…」
高まってくる快感に伊達はヤバイと感じる。
が、突然桃は伊達から身体を離した。
「?」
顔を上げると、桃が腰を落として伊達を受け入れようとし始めたので、伊達の身体に
熱いものが衝き上げてくる。
「…う…ん…」
ゆっくり包み込んでくる桃の内は熱く濡れていて、伊達は何度かもっていかれそうに
なった。
背中をしならせ、焦らすように受け止めてくる。
「…あ……」
感じるところに触れるのか、時折身体を跳ね上げる桃の姿はとても妖艶に見える。
伊達のすべてを受けれても、桃は軽く動かすだけでのぼりつめようとはしてこない。
たまらなくなってきたのは伊達の方だった。
上半身を起こし、桃の身体を押し倒そうとしたが、桃が伊達の肩を掴んでそれを制する。
体重をかけて伊達をシーツの上に縫いとめてしまう。
上から伊達を見下ろしてくる桃の瞳は潤んでいて、甘い吐息を荒くつき、情欲に満ちた
表情をしていた。
「…まだ駄目だ…」
「…もういいだろ…」
お互いが熱く感じ合っているのは、共に分かっていた。熱のもって行き場を求めて暴走
しそうになっているのも。
桃はふっと微笑むと、屈んで伊達の耳元に囁いた。
「…もっと…お前を…味わってから…」
少し掠れたなまめかしい桃の声…
聞いた途端に電流が駆け抜け、呪縛を受けたかのごとく動けなくなる。
熱い息が耳たぶに触れ、伊達は身体中の血が沸騰したのかと思って反応した。
「…あ…!」
伊達の反応を感じて桃の内側が淫らに蠢く。
けれど、身体を小刻みに震わせても、開放に導こうとはしない。桃は伊達を見下ろして
潤んだ瞳で微笑んだ。
…さっきのは…分かっててやったな…
と、伊達は確信する。
自分のもつ魔力のような声の魅力を知ってて囁いたのだ。
いつもの伊達ならくやしく思うが、今はそんな感情が沸く余裕もなかった。
桃がまた、軽く腰を揺らしてくるので伊達はマジでやばいと思う。
「…おい…やばいって…」
「…ふ…なに…が…」
「もういいだろ…激しく動けよ…」
「…まだ…足りない…」
「…どこまで…く…!…」
どこまで味わうつもりだよ…
快感がどんどん深くなる。底なしのそれに沈んでいく自分を感じる。
伊達はシーツを握りしめていた手を離し、頭上に上げてベッドの格子を力強く掴んで刺
激に堪えようとした。
しかし、突き出すような格好になった伊達の胸を、桃が触れてきたので、それは逆効果
となった。
優しく愛撫され、先端を指が掠める度に、伊達の昂りは激しくなる。
「…いい加減に…」
「…ああ…いきそうなんだな…分かる…」
「…分かってんなら…おい…!」
揺さぶられながら胸の先端を舌でなぞられ、伊達は堪えきれなくなり、そのまま高みに
上りつめてしまった。
激しく息をつき、四肢をシーツの上に投げ出す。
「…くそ…いっちまった……」
目を閉じて荒い息をつきながら呟く伊達を見て
可愛い〜v
と総理桃は思った。
今の(組長)伊達では考えられない事である。
こちらが焦らすと、その分だけこっちの身体の昂りを高めてくるのだ。
すでに桃の感じるところを知り尽くしているのだろう、時々それがくやしかったりする。
与えられる刺激に酔い、素直に開放する伊達が可愛いと思う。
桃は優しく伊達の頬に口付けた。
再び身体を反転させて、今度は自分が伊達に組み敷かれる格好になる。
「伊達の好きにしてくれ…」
「…え?」
「…激しくしても…いいから…」
伊達を見上げながら誘うように微笑む。
その笑みは人の心を捕らえる艶をもっていて、伊達は男の雄が刺激され、また血が騒ぐ
のを感じる。
…分かってやがるな…
先程の囁きと同じ、桃はその魅力を知っているのだ。
それが分かっていながら、触れずにはいられない。
伊達は溺れる覚悟を決めて、桃に深く口付けた。


OMAKE(組長×総理)

「若い頃のお前は素直で可愛かったな〜」
「お前こそ、素直だったぜ。恥じらいがあったし、初々しかったし…」
「今は恥じらいがないとでも言うのか?」
「あるのか?」
「どういう意味だ?」
「恥じらいのある奴があんなに妖艶に人を誘うかよ」
「それはお前にだけだ」
「……………」
「どうした?」
「なんでもねえよ…」
「ふふ…嬉しかった…とか?」
「何言ってやがる。そんな訳あるかよ」
「違うのか?」
「……………」
「それが素直じゃないって言うんだ」
「…お前だって可愛くねー…」
「そういう俺が好きなんだろ?」
「…それまでだ…へらず口をたたく余裕なんてないようにしてやる…」
「…ふふ…いいぞ…やってみるか…?」


H21.5.2

完全にパラレルと考えて下さい;
某サイト様の素敵イラストと「伊達の蜜桃」という素晴らしすぎる商品名を知って、
妄想が暴走の大爆発してしまって書いてしまいました;素晴らしいイラストを拝見
した時に
「塾伊達と総理桃だったらどういう風になるのかな〜?私の総理桃は受け身だけど
主導権にぎってるからな〜若い伊達だと先に一人でイッたりして〜ははは〜」
なんて腐敗想像した事から始ったのです;ズブ(刺)…あ…後頭部に槍が…;
両カップリングはまったく違う場所(次元?)って感じでご想像して下さるとあり
がたいです;同じ場所だと「やっぱり駄目〜!」ってお互いいつものカップリング
に戻ると思ってますんで;(また妄想;)
本当に苦情は受け付けませんので、本当にお願いします;石も槍も虎もいりません;
私の書く組長×総理はやっぱ総理が主導権握ってるほうが書きやすいわ〜と思いま
した。(ズブ刺…あ…また額に槍が…;)