テレビアニメ男塾について語る(その1)


私の男塾の原点はなんといってもテレビアニメである。
テレビアニメの剣桃太郎なのである。
という事で、そのテレビで放送された「魁!男塾」をちょっと振り返ってみたいと思う。
まず、放送されたのは88年の2月〜11月あたり(純粋に「おもしろいアニメ」として観ていたんだから、今はすっかり邪になったもんだ;楽しいけどね!)
この頃の私は原作を知らなかったが、主人公である剣桃太郎の声が、大好きな声優である掘秀行さんが演じるので観る事にした。
第1話放送、のっけからオープニングの素晴らしさに惚れてしまったv
ついでに言うならCMをはさむアイキャッチも秀逸。鉢巻が揺れているあたり、止め絵ではないのでその凝りようが分かる。
次回予告がDJ風なのも気に入っていたv
おもしろい内容のナレーションを掘さんが明るい声で話してくれるので、毎回楽しみにしていたv
原作を知らなかったので後から分かったのだが、第1話はテレビアニメのオリジナルストーリーだった。
まず、桃が転校生という形で「男塾」に入塾してくるのだ。そこで、筆頭だった富樫との対立を経て友情が生まれ、第3話で桃が一号生筆頭になる、という流れ。
この第1話から第3話までは、同じ方が脚本を書いている事から一連の流れを意識して書いたのだろう、と推察。原作では桃は初めから「男塾」にいて、筆頭で富樫ともすでに親友だったらしい。
「らしい」というのは訳がある;
告白いたしますと、私、原作「男塾」を全巻持っておりません;
文庫本を持っていますが、3冊抜けております(抜けてる巻は1、15、19巻。一応、どういう内容なのかは知っております)
元々、全巻揃える気はなかったのだべ;(「ファンの風上にもおけん!」とお怒りの方は、風下においてやって下さい(殴;))
「読みたい巻だけ買えばいいや〜10冊ぐらいかなv」
と思い、バラバラに買っていたのだが「男塾」にはまり、止まらなくなってしまったのである;(「男塾」の魔力にやられた…;)
買う順序もバラバラで、5、6巻買ったら、今度は8、9巻。次は7巻なんて具合に前後する事もあった;
その為、一時期「男塾」の読み方を見失ってしまった時期がある;
まあ、ぶっちゃけて話しますと、天挑五輪のガンダーラ戦までは比較的まともな闘いしてたと思うんですよね;しかし、その後は変な方向にいったりして、まるで「奇人変人世界びっくりどっきりマジックショー!」みたいな展開になった時もあったかと;
だから、順番に読んでいったら免疫がついていたかもしれないけど、バラバラに読んでいたので、ガンダーラ戦みたいな闘い方から、いきなり「ルクソールの憂鬱」「秘承鶴錐剣」「硫酸のシャボン玉」なんて技やら闘いぶりが出て来たので、どう受け止めていいのか分からなくなったのだ;
思わず、開いていた本を閉じ、コーヒーなんぞを煎れて飲みながら
………ちょっと、落ち着こうか……
ブレイクタイムでもいれんと、どう解釈していいのか分からなかったざんすよ!;
「どう、受け止めたらいいの〜!(T○T)」
笑うところか?泣くところか?突っ込むところか?
悩んじまったべ;
今だったら両手を広げて「さあ、なんでも受け止めてやるぜ!」だけど。
堂々と胸を張って「さすが、私の(?)剣桃太郎だわ!」と誇るところざんす。
なんで、1巻が無いのかって言うと
「昔、友人に借りて読んだけどあんまり面白くなかったような気がするから…」
なんですよね;まだ「男塾」の色はそれ程出ていなかったんじゃないかと。
それにこの辺はアニメの方が面白い気がする。19巻も同じ理由で購入しなかった。後半(特に終わる前)は物語のパワーが落ちていた頃だと思う。20巻は最終巻なんで購入いたしました。
では、何故話の真ん中である15巻がないのかというと、豪毅が不憫でのう…
なんと言いますか…「奇人変人世界びっくりどっきりマジックショー!」に出てくるような奴らの大将にされて(豪毅が選んだ訳じゃないのに;)そいつらが負けると藤堂に「何やっとるか!」って怒られるなんて…可哀想すぎる!
観賞に耐えられずに購入を止めました;私が心のどこかでさりげなく豪毅贔屓なのは、この不憫さがあったればこそかもしれない;(でも、いつか購入する気もするんだよね…)
そういう訳で、この頃の原作はあまり覚えてないのでアニメと比べる事が出来ない。
読んだとしても、おそらく私はアニメの方が好きなんだろうな〜と思う。原点だしねv
島めぐりがアニメにないのは残念だった(「軍国主義」が全面に出ている箇所だからカットされたか)ちょっといじっても良かったのにな〜「白鯨」とかめっちゃ面白いと思うのだが。貴重な桃のふんどし姿も出てくるし「ゲイであったか」なんておいしい台詞もあったのにv(だから駄目だったのか?;)
多分、アニメでは夏休みは「ビックバトル・オーガスト」に参加していた、って設定なんだろう。
なので、前半は一号生達の日常生活やら、登場人物の紹介的な内容と、二号生との対立の話が主流。
赤石先輩以外の二号生との対立の話は、ほとんどギャグである。
私はこのノリの「学園漫画男塾」が好きなので、観ていてとても楽しかった。
対面式、サファリパーク、と二号生と一号生との対決が続くが、非常におもしろい。
多分、脚本と演出が上手いんだろうな〜
ゴリラ江戸川を楽しそうにブン殴る桃は、クールに見えるけど、決して性格は優等生ではないと分かるので、惚れ直すところv
この後、二号生の腑甲斐無さを憂慮して、赤石先輩が復帰されてくる。
赤石先輩が登場してくる
第10話「二号生の逆襲 年下のくせになめんなよ!と
第11話「巌流島に死剣舞う 対決!桃VS赤石」
はもう、おいしすぎて悶える話。
作画監督も羽山氏だし、時代劇好きなんで、殺陣シーンはドキドキいたしましたv
アニメ「男塾」のキャラクターデザインは須田氏だが、私は羽山氏の絵が一番好きだv
(男塾の作画監督は須田正己、山崎展義、金子寛俊、川筋豊、増田信博、斉藤浩信、羽山淳一)
熱血な雰囲気があるが、どこか幼さを感じさせる絵で私は一番のお気に入り。
凶殺の最終死闘がこの方の絵であったのは大感謝。
卍天牛固めをやられている時の桃や、伊達と対決して血に染まる桃や、(何度も言うが)つま先に剣を突きたてて覚醒する桃などが、この人の絵だったからこそ、悶え殺されるかと思う程色気があったのである。須田氏でもあそこまでの艶は無理であったろう。作画監督を割り当てた方は良い仕事をしたと褒めたい(何をえらそうに;)
桃と赤石先輩の出会いのシーンは、先輩がフォーリン・ラブしたように見えて仕方ない。
その後も桃の墓石ぶった切ったりして、気を惹こうとしているし(違う;)
私は赤×桃ではないが、一番気持ちが近いカップリング。伊達×桃以外で書けるとし
たら、このカップリングかな?(まともに書いた事ないけど;)
(疑問開始)リアルタイムでアニメを観ていた時に腐女子だったら、赤×桃になってたのかな〜?
あ〜でもならなかったか〜「太陽と月」じゃないもんな〜私って昔っから先輩×後輩はつぼにはいらないし〜後輩×先輩ならはまる確率が高いが、私の中で桃は「ディフェンス」だもんな〜私の中では赤石先輩はストイックだし〜(完)

「巌流島」もアニメのオリジナルが入っている。
当初、桃は「見せ物の勝負しない」と言って試合に出ないのだ。
一見格好悪そうに感じるが、桃の言い分は正しいと思う。
自分の命をかけた勝負を金もうけに利用されたんじゃ堪らん。
ここらへんは原作にはない「まっとうさ」を配慮する「アニメ男塾」の世界観なのである。
「すぐに剣を抜く」主人公では駄目なのだ。
赤石先輩を怒らせる理由も「先輩を足蹴にするなんて俺には出来ない」と良識ある理由をのべている。
警官の拳銃が使用されないのも同じ配慮だろう。
(赤石先輩にしてみても、停学の訳は「いびる二号生を返り討ちにした」と、まだ正当性のあるものになっている)
「憶病者」呼ばわりされて、カッとなってて出て行く富樫との対比を狙ったのかもしれない(熱い親分肌の富樫)
私の推測なのだが、「アニメ男塾」のスタッフは桃の性格設定を
「正義感があり懐が深く、器用になんでもこなすが、どこか冷めている」
にしてるんじゃないかな〜
そのクールな桃が「男塾」で責任と友情に熱く目覚めていく。みたいな物語として、とらえているのではないだろうか?
だから、桃が赤石先輩との試合に出ていく理由は、富樫を救う為なのだ。
二号生の対面式の時もそうだったけど、桃って富樫がピンチになると出ていくんだよね;
完全に「桃の親友は富樫」って設定;
個人的には桃と富樫が喧嘩するシーンなんてのは大好物で、胸が震えました。
富樫が「試合に出ない」という桃に「俺はお前の冷めたところが嫌いだ!」と胸ぐら掴んで怒鳴る。
でも富樫は桃を殴らないし、桃は富樫のピンチに信念を曲げて試合に出るし、結局両想いなのである(変な意味ではない!)
ここらへんの「男の友情」は、もう、つぼ過ぎてたまらん!
自分と意見が違っても、性格が違っても「信じる」というか「好き」(変な意味ではない!)というか…
喧嘩する程仲良し、ていうのが良いのさv
二人がリングで手を握りあって、熱き友情を見せつけられた赤石先輩は、完全に失恋で可哀想でした(違うって…;)
あ、実を言うとですね、試合に出ないで、桃が寮でふてくされて寝ている場面なんですが、妙に桃が色っぽくみえて萌えました;
鉢巻の流れ方とか、ガクランが身体の曲線を描いているので、単衣を着ている時みたいな柔らかさがあるんだよね〜;
一瞬だけど、富樫のピンチがスピーカーから聞こえて、苦悶の表情を浮かべる桃とか!
私のS魂が揺さぶられるぜ!たまらん…
「くだらない…」
なんて、ぐれる桃は原作にはないからかなり貴重。キュートじゃ〜!
動きのあるチャンバラシーンも見れるし、ちゃんとオチもついているし、「巌流島」はあらゆる面でおいしい回である。
一号生達の日常的な内容の話で、私が特に気に入っているのは
第12話の「男塾版岸壁の母物語 不良だってお母さんが欲しい」
第14話の「友か敵か 鉄拳マッハパンチの男現る その名はJ」である。
「不良だってお母さんが欲しい」は完全に富樫の話である。
アニメ男塾はとにかく富樫の贔屓がすごい;スタッフは絶対富樫がお気に入りだ!
私は、ほぼ絶対的確信を抱いている。
桃の出番が少なくて悲しいところなのだが(いつもの事か?;)おいしい場面はあった。
鬼ひげに言われてナンノちゃんの写真集買いにいったり、ウインクする桃だったり、可愛くてキザな桃があったので萌萌した。最後には婆さんに抱きつかれていた。
羨ましい婆さんだ。代わってく………いや、やっぱいい…
桃がここまで女性に優しくするのが描かれるのは、この婆さんが最初で最後じゃないだろうか?まあ、「男塾」の世界では女性はほとんど出て来ないのだが…
そのせいかと思うが、アニメではガヤに女性が多い。原作ではその他の一般人の方々も男性が多かったのだが…絵的にむさくるしくなるから?エンディングで出てくる声優さんみただけで、男くさいもんな;
描いてる方としては、同姓ばかりじゃつまらんかったのだろう(スタッフは男性が多いと推測)色もいろいろ使えんし(駄洒落ではない;)
「その名はJ」は文字とおりJが出てくるお話。
それまでのアニメの話は、桃はどちらかというと「傍観者」として描かれる事が多かった。上記の「不良だって〜」も塾長の「頭墨印」入れる話も、燃えているのは周りで、それまで冷静に成りゆきを見守っていた桃が最後のトリと取るのだ。だから出番が少ないっつーの!(もっと出て、喋って〜!と何度叫んだか;)
この回は、桃が初めて自ら表舞台に立つ話じゃないだろうか?
二号生の対立を経て、筆頭としての責任感に熱く目覚めてきたって事かな?
登場時のJは、完全に悪役オーラをまとっているし、お喋りである;
巨大扇風機のパンチ芸を披露するという洒落っ気もある(この時に拍手する桃はキザでラブリーv)
Jはアカデミーの面倒を押し付けられて嫌気がさしていのかも?
ボクシングは個人競技といえるので、人の面倒みるのが苦手なのかもね。
必ずしも名選手が名コーチにならないのと同じように、Jも世話の仕方が分からなかったんだろう。信頼関係があるようにも見えないしな〜
その後、第七艦隊の司令官におさまっている事から、この欠点は克服したとみられる。
「男塾」で『仲間を信頼する』という事を学んだからかもしれない。良かった良かったv(軍隊の私物化は大問題だが;親孝行って…んな無茶な!;)
原作に話はふるけど、Jとトウフウケツ(漢字が出し方が分かりません;)との闘い
の時、縄ばしごに掴まってるトウフウケツに
「勝手に上がって来るがいい。手を差し伸べてやる程、俺はお人好しではない」
と言ったJが、桃が差し出してくる手を握るシーンはかなり好きv
Jがこの話で「男塾」に入塾し、一号生に頼もしい仲間が出来る。
アニメのオープニングで、桃の他に主要な仲間が3人出てくる事がすでに分かっていた。
後は虎丸だけ。原作と違って3話目に桃が獄悔房に入れられて、虎丸の存在はすでに認知されている。
ここに閉じ込められている奴が仲間になるんだな、
と予測はすでについていたので、どういう展開で出てくるのか楽しみだった。
ここまでが「アニメ男塾」にとって第1期みたいなもんだと思う。
第2期は、また次の機会に話しとうございます〜